ON2サルサ(NYスタイル)がON1サルサ(LAスタイル)より流行が遅かった理由 : ON2スタイル

ON2が女性にやさしくて楽しいという話はもう常識になっている。
女性が楽しいというのは楽に動けることだし、
というのは男性も無理のないリードが可能ということにもなる。
でも、なんでON2は世界的に流行が遅かったのか?
ON2の流行がおそくなった理由は、難しいからだ。
ON2が流行るまでの背景をちょっと書いてみよう。

サルサはもともと舞台で見せるための踊りではない。
アメリカ・南アメリカなどで、ラテン系の人たちがサルサ音楽を
聞きながら踊っていた踊りなのだ。そこにはシャインがあればペアーダンスもある。
でも、サルサ音楽は他のダンスミュージックより難しいし、
その音楽にあわせた踊りももちろん難しい。
サルサ音楽になれていないラテン系ではない人に、すぐ踊れる訳がない。
特に、サルサのシャインのダンスを観ると、一つの楽器の演奏みたいに感じれるくらい、
他のダンスにはない難しいテンポの踏み方をしている。
サルサのシャインを二つ観てみよう。

Griselle Ponce (Japan Salsa Congrss 2010 に来日するダンサー)

一つ目をみると、踊りが他の音楽の演奏に混じられた一つの楽器に見れるようでは?
二つ目をみると、もっと楽器って感じがする。
速いステップとタメが混ざり、ステップの間隔が0.5拍子だったり、1拍子だったり、1.5拍子だったり、2拍子だったりする。
サルサのシャインは、音楽を理解しないと、いくらまねしようとしても踊れるようになることはない。

音楽を理解すると更に上手くなれるのはペアーダンスでも同様。
男性の一番理想的なリードは女性を動かしてから動くもので、女性より微妙に遅くテンポを取ることになる。
サルサ界の1%未満の男性がそんなリードが出来る。
だが、女性もテンションの利いたフォローをしないとその味を100%味わえることは出来ない。
ちょっと変わったリードとしか思われないのが普通だ。

これだけ難しいON2のサルサ。

ON2がN.Y.のラテン系にすごく流行っても、なかなか他の地域に広がることがなかった。
ラテン系じゃない人に先にうけたのはON1スタイル。
米国の西部の人々が主にON1を踊るのがその証拠。
ON1の人口は広がり、LAコングレスが開催された。
ON1はサルサダンスとして世界中に広がるようになった。
それが、LAスタイルだと言われている迫力のあるサルサだ。
でも、ON1が流行り始めて何年も経たないうちに、まるで待ってましたといわんばかりに、
N.Y.のON2ダンサがコングレスでパフォーマンスし始めた。

チームでは Santo Rico (サントリコ)、Karisma(カリスマ)とかになるし、
ダンサーでは、 Juan Matos(フアン・マトス)、 Frankie Martinez(フランキ・マティネズ)とかになる。
それを観た世界のON1をマスタしたダンサが、今度はON2に嵌ることになる。

でも、ON2の人口がON1の人口を超えることはまずない。
ON2は難しいため、どうしても男性はON1をマスタしてからON2を始める。
ON2の人口がサルサ全体の人口の20%未満が普通。

いまでも、アメリカの西部はON1を主に楽しんでいる。
日本・韓国ではON2を踊る人が結構増えたが、まだON2の味まで出る人は少ない。

0.5拍子のテンポが取れない人にON2の征服はあり得ない。
音楽が理解できて、0.5拍子のテンポが取れる感覚を身につけても、
そのスピードでステップを踏めることはまだ別の話だ。
速くて体重移動が伴うステップを可能にするための、
一番のカギはステップする際に必ず骨盤を一緒に動かすことだ。
これを理解している人は本当にすくない。
だから、ON2の味がでるシャインが出来る人も少ない。

ON2は確かに魅力があるが、ON2の征服の必須条件は、
音楽の理解と骨盤の動きの理解だ。

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